いい会社をつくりましょう。suidobi代表清水の経営日記
『経験値の伝承が出来た会社が生き残る』
『経験値の伝承が出来た会社が生き残る』
先日、井戸の水中ポンプの交換工事を行いました。
工事そのものは、熟練の職人さんにとっては決して珍しい作業ではありません。
ただ、その現場で強く感じたことがあります。
「これは、知らない人にとっては完全に未知の領域だ」
ということでした。
蛇口から出てきた“サビのようなもの”
今回のご相談は、
「蛇口からサビのような固形物が出てくる」というものでした。
お客様が事前に採取してくださっていたペットボトルの水の中には、
砂のような、サビのような固形物がはっきりと確認できました。
まずは水質検査を実施。
結果は水質そのものに大きな問題はなし。
そこで、
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井戸
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配管
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水中ポンプ
このどこかに原因があると判断し、調査を進めました。
原因は「劣化」ではなく「反応」
水中ポンプを引き上げてみると、
水没していた配管とポンプの外部にはサビが付着し、
さらに配管内部にもサビが発生している状態でした。
一見すると、
「鉄の配管が劣化してサビた」
そう思ってしまう状況です。
ところが、付着していたサビを乾燥させてみると、
砂のようにポロポロと崩れ、指でも簡単に取れる。
これは配管そのものが腐食・劣化したサビではない。
その場で電話で井戸の専門職人さんや材料メーカーに確認したところ、
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ステンレス製の水中ポンプ
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鉄製の配管
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井戸水
この組み合わせによって**電食(異種金属接触腐食)**が起き、
サビが発生・付着していたことが分かりました。
午後2時、あえて「やり直す」という判断
工事は一度、午後2時頃には完了しかけていました。
しかし、監督としての私の判断で、
一度入れたポンプと配管をすべて引き抜き、やり直すことを決断しました。
水中ポンプと配管の間に、
専用の絶縁継手を入れるためです。
すぐに9本の配管をすべて引き上げ、
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絶縁継手を取り付け
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水中ポンプを再設置
この対応を行いました。
正直に言えば、
慣れていない作業員さんだけでは、できなかった判断と作業だったと思います。
そして私自身も、これまでの経験がなければ、
「そのまま完了」としていた可能性がありました。
職人不足の時代に、本当に必要なこと
これからのリフォーム・建築業界は、
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工事の簡素化
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商品化・規格化
がさらに進んでいきます。
一方で、
何十年も前に作られた建物や設備は、これからも残り続ける。
そうした現場では、
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マニュアルだけでは判断できない
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経験と知識がものを言う
場面が必ず出てきます。
改めて感じたのは、
「職人を確保すること」だけでは足りないということ。
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高い技術
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専門的な知識
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現場での判断力
これらを伝承しながら職人を育て、確保していく。
それが、これからの会社にとっての重要なポイントだと感じました。
感謝と信頼が、現場を動かす
そしてもう一つ、強く感じたことがあります。
それは、
職人さんへの感謝と信頼関係こそが、現場を臨機応変に動かす力になるということ。
「もう一度引き抜いてやり直そう」
この判断に、職人さんたちは嫌な顔ひとつせず応えてくれました。
当たり前のようで、当たり前ではない。
多くの知識と経験、そして人との関係性。
現場を通して、
学ぶことの多さと、感謝すべき当たり前の尊さを改めて感じた一日でした。
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